自動車を所有する場合、多くの人が一度は耳にする「自動車税」について知ることが大切です。
これは車を持つ上で毎年必ず支払うべき税金であり、具体的に何を意味するのか、どのように計算されるのかを知っておくことは、車を購入・維持する際の重要な要素です。
この記事では、自動車税の基本から詳細までを解説し、初心者にもわかりやすく説明します。
特に初めて車を購入する方は絶対一度は見てください!
1. 自動車税とは?
自動車税は、日本国内で車両を所有している人に課される税金です。この税金は各都道府県に納めるもので、道路の整備や交通インフラの改善に使われます。
自動車税は以下の2つに大別されます。
- 自動車税(種別割)
- 自動車重量税
それぞれの税の目的や計算方法が異なるため、順に説明していきます。
2. 自動車税(種別割)
まず、自動車税(種別割)から説明します。これは、毎年4月1日時点で自動車を所有している人が対象となり、その車のエンジン排気量(cc)に基づいて課税されるものです。
この税金は基本的に「所有に対してかかる税金」であり、保有している限り毎年支払う義務があります。
2.1 自動車税(種別割)の計算方法
自動車税(種別割)は、車両の排気量に応じて段階的に設定されています。
排気量が大きいほど税額も高くなります。具体的な課税額は以下のようになります。
(2025年現在の基準)
自動車税早見表(普通自動車)
総排気量(cc) | 通常税額(円) | 13年以上経過車両の税額(円) | 増加額(円) |
---|---|---|---|
1,000cc以下 | 29,500 | 33,900 | +4,400 |
1,000cc超~1,500cc以下 | 34,500 | 39,700 | +5,200 |
1,500cc超~2,000cc以下 | 39,500 | 45,400 | +5,900 |
2,000cc超~2,500cc以下 | 45,000 | 51,800 | +6,800 |
2,500cc超~3,000cc以下 | 51,000 | 58,600 | +7,600 |
3,000cc超~3,500cc以下 | 58,000 | 66,700 | +8,700 |
3,500cc超~4,000cc以下 | 66,500 | 76,400 | +9,900 |
4,000cc超~4,500cc以下 | 76,500 | 87,900 | +11,400 |
4,500cc超~6,000cc以下 | 88,000 | 101,200 | +13,200 |
6,000cc超 | 111,000 | 127,600 | +16,600 |
自動車税早見表(軽自動車)
車種 | 通常税額(円) | 13年以上経過車両の税額(円) | 増加額(円) |
---|---|---|---|
四輪乗用(自家用) | 7,200 | 12,900 | +5,700 |
例えば、排気量が1500ccの車であれば、年間で34,500円の自動車税を支払うことになります。
この税金は、毎年4月1日時点で車を所有している人に対して課税されるため、車を売却や廃車するタイミングも注意が必要です。年度途中で車を手放しても、その年度の税金は全額支払う必要があります。
特に中古車を購入する際は、初年度登録から何年落ちの車か確認してください。
自分の場合は2014年度登録ハリアーなので、この場合39,500円になります。
2.2 軽自動車税(種別割)
軽自動車は排気量660cc以下の小型車で、普通車とは異なる課税体系があります。軽自動車に対しては、軽自動車税が課せられます。
軽自動車の維持費が安い理由の一つが、この軽自動車税の安さです。普通車に比べて大幅に低い金額であるため、都市部や維持費を抑えたい人に人気があります。
2.3 環境性能割
2019年10月から、車の環境負荷を考慮した「環境性能割」という税が導入されました。これは、新車や中古車を購入する際に、車の燃費性能や排出ガス性能に応じて課される税です。購入時に一度だけ課税され、排気量ではなく、環境性能に基づいて税率が決まります。
3. 自動車重量税
次に、自動車重量税について説明します。この税金は、自動車の重量に応じて課され、車検の際にまとめて支払います。自動車重量税は、車の重さが増えるほど道路や橋などのインフラに与える負担が大きくなるため、その分高くなります。
3.1 自動車重量税の計算方法
自動車重量税は、車検ごと(2年または3年)に徴収され、1トンあたりの税額が設定されています。一般的な普通車の重量税の目安は以下の通りです。
自動車重量税早見表
車両重量 | 新車登録から13年未満(年) | 新車登録から13年以上(年) | 新車登録から18年以上(年) |
---|---|---|---|
0.5t以下 | 8,200円(4,100円/年) | 11,400円(5,700円/年) | 12,600円(6,300円/年) |
0.5t超~1.0t以下 | 16,400円(8,200円/年) | 22,800円(11,400円/年) | 25,200円(12,600円/年) |
1.0t超~1.5t以下 | 24,600円(12,300円/年) | 34,200円(17,100円/年) | 37,800円(18,900円/年) |
1.5t超~2.0t以下 | 32,800円(16,400円/年) | 45,600円(22,800円/年) | 50,400円(25,200円/年) |
2.0t超~2.5t以下 | 41,000円(20,500円/年) | 57,000円(28,500円/年) | 63,000円(31,500円/年) |
2.5t超 | 49,200円(24,600円/年) | 68,400円(34,200円/年) | 75,600円(37,800円/年) |
3.2 エコカー減税
エコカー、つまり燃費が良く排出ガスが少ない車両については、重量税が減免されることがあります。
これをエコカー減税と言い、電気自動車やハイブリッド車が主に対象となります。対象車は、環境性能に応じて最大で重量税が全額免除されることもあります。
新車購入時や車検の際には、購入車がエコカー減税の対象か確認することが重要です。
4. 自動車税の支払い方法
自動車税は通常、4月1日以降に納税通知書が送られてきます。支払いの期限は5月31日が一般的です。支払い方法は以下の通りです。
自動車税の支払い方法早見表
支払い方法 | 支払い場所/方法 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|---|
金融機関で支払う | 銀行、信用金庫、郵便局など | 窓口で現金またはキャッシュカードで支払い可能。領収書を受け取れる。 | 営業時間内(平日9:00~15:00)に限る。 |
コンビニで支払う | セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなど | 納付書(バーコード付き)で24時間支払い可能。 | 一部バーコード未対応の納付書では不可。 |
スマホアプリで支払う | PayPay、楽天ペイ、LINE Pay、au PAYなど | 納付書のバーコードをスキャンして支払い可能。外出不要で便利。 | 一部自治体で非対応の場合がある。 |
クレジットカードで支払う | 自治体ウェブサイトや「eLTAX」 | ポイントが貯まる。オンライン決済が可能。 | 決済手数料がかかる場合あり。 |
口座振替で支払う | 自治体指定の手続き | 毎年自動引き落としで支払い忘れを防止可能。 | 初回手続きに時間がかかる場合がある。 |
- 支払い期限:通常5月末日。期限を過ぎると延滞金が発生します。
- 納付書紛失時:自治体の税務課に連絡して再発行が必要です。
- 減税や免除:エコカー減税や特定条件により軽減される場合があります。
5. 自動車税の注意点
5.1 車を買い替える場合の税金
車を売却・廃車・買い替えする際、自動車税の月割り返金制度が適用されることがあります。
これは、4月1日以降に車を手放した場合、次の所有者がその年の残りの月の税金を負担することになり、自動車税の一部が返金される制度です。ただし、軽自動車税にはこの返金制度がないため注意が必要です。
5.2 違反時のペナルティ
自動車税を期日までに納めないと、延滞金が発生することがあります。
また、支払いを怠り続けると、最終的には車両の差押えなどの法的措置が取られることもあります。納税通知が届いたら、期限内に確実に支払うことが重要です。
6. まとめ
自動車税は、車を所有する上で避けられない費用の一つです。
排気量や重量によって税額が異なり、環境性能や車種によっても減税や免除があるため、自分の車がどのように課税されるのかを理解することが大切です。
また、支払い期限を守ることも非常に重要です。車を所有する際には、事前に税金を含めた維持費用を把握して、しっかりと計画を立てることが賢明です。